プロフィール

神山 侑子

Author:神山 侑子
★★★★★★★★★★★★★

隅田川に架かる橋のたもとで
生まれ、湾岸で育つ。
現在は大根を栽培する地域に
暮らす37才。
職業はエンタメ系職人。

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Dove siamo? <ドーヴェ・スィアーモ?>
趣味的な映画や本の感想を綴るブログ。 現在は西洋のお坊さんに注目中。 もう自分がどこにいるのか分かりません。 ここはどこですか… Dove siamo?
アジア映画 2本
アジアで作られた映画はあんまり観ていないんですが
仕事で必要になってみてみました。
観ろ、と言われたのはジェット・リーのでている『HERO 英雄』。
自分で観てみようかと思って借りたのは韓国の映画『王の男』。

どっちも勉強になりましたよ。
参考にするのは主に衣装の部分だったんですが、ナルホドーという感じです。

後の秦始皇帝となる秦王と中世朝鮮の一国の王では、
持っている事情の大きさが違いすぎる。さすが中国は壮大です。
しかし、どっちが面白かったかというと『王の男』。

『HERO』は剣で戦うシーンが多いわけですが、回想が多く
何度も同じ戦いを見せられて飽きてしまう。
あそこまで、くるくる回ってしまうと戦いではなく、舞でしかないだろう。
洗練されるのはいいが戦いの殺気や気迫は残念ながら犠牲になってしまったようだ。

『王の男』は旅芸人が都会に出て来て、急に王宮で芸を披露するはめになり、
美少年芸人コンギルくんが王様に気に入られてしまう。
一緒に旅をしてきた相方は心配でたまらず、反抗的な態度でトラブルを起こし
王様の側室(?)もコンギルを目の敵にして様々な策略を巡らすのだった。
中世朝鮮の宮廷物語ですね。一般市民の風俗も面白かった。
できれば伎生だった側室の舞なんかも見せて欲しかったな。
そして美少年コンギルに向かって「田舎芝居」と罵って欲しかった(笑)
いや、実際、芸人たちのやってることは下品でくっだらない田舎の三文芝居なの。
しかし、それを本気になって思い入れしてしまう愚かな王様。

この王様は朝鮮の歴史上、暴君の名を欲しいままにしている”燕山君(ヨンサングン)”
なんですね。『チャングムの誓』の冒頭でクーデターによって死んだ王様です。

…まあ、こんな映画です。

洗練度では『HERO』が数段上でしょう。
しかし、立派な王の逸話ではなく、運命に翻弄される人間を描いた
映画が観たい方には、『王の男』をおすすめしたいと思います。

テーマ:映像・アニメーション - ジャンル:学問・文化・芸術

A Tuch of spice
先ほど、映画『タッチ・オブ・スパイス』をDVDにて鑑賞。

なんて可愛い映画でしょうか。
ストーリーを紹介します。
ネタバレですので、嫌な方は見てから読んで下さいね。







おじいちゃんっ子の主人公ファニスは、おじいちゃんの香辛料店で
スパイスの知識を授けられながら育ちます。
幼友達はお母さんの親友の娘、サイメ。踊りの好きな可愛い女の子です。
おじいちゃんの店の屋根裏に入るのが許されているのは二人だけでした。
二人はその屋根裏でママゴトをしたり、おじいちゃんの話を聞いて過ごします。。
「辛くて熱い胡椒は太陽、シナモンは金星_絶世の美女だ。甘くて苦い」

ある日、トルコとギリシャの関係悪化によって、(キプロス問題)
ギリシャ国籍のファニスの家族は強制退去を命じられてしまいます。
おじいちゃんとお母さんは残る資格があるらしいのですが、
お父さんはダメ。結局、おじいちゃんだけが残ることになりました。
ギリシャに行ってからのファニスは、おじいちゃんが教えてくれた
スパイスの知識で異常なくらいの料理好き少年に。
あまりに料理に夢中になりすぎ、連絡も途絶えたサイメのことばかり
言う息子を心配した両親は、彼をボーイスカウトに入れます。
が、そこでも慰問先の売春宿で料理の手伝いをして
お父さんが当局から愛国心の教育をするよう指導を受ける始末。

さて、別れ際におじいちゃんは『きっと会いにゆく』と言ったのですが
何年経っても行くという段になってトラブルがあったり具合が悪くなったり。
お父さんは言います。
『じいちゃんは来やしない。来たくないからだ。
 おれだって、あの街から離れたくなかった。
 思うだけならギリシャも美しい。でも、イスタンブールは特別なんだ。
 退去を言い渡しに来た係官はイスラムに改宗すればトルコにいてもいいと
 耳打ちしたよ。5秒迷った。即答できなかった』と。

天文学の教授として働くファニスの元に、おじいさん危篤の知らせが入ります。
取り急ぎイスタンブールに向かうファニス。
病院にいたおじいちゃんは意識がありませんでした。
ただ、スパイスを扱う時と同じ、指を擦り合せる仕草をするだけです。
程なくおじいちゃんは亡くなります。お葬式には、あの懐かしいサイメが。
ファニスはボスフォラス大学を訪ね、教員の職はないかと打診するのでした。

ファニスとサイメは、長い月日を埋めてあまりあるほどに惹かれ合いますが
サイメには夫と娘がいます。夫とは仕事の都合で別居中だと言うのですが…。
娘の誕生日に夫ムスタファが帰って来てしまいます。
作中では、食事をしようとすると電話やインターフォンが鳴って
中断されるという、ファニスの不安と落胆を表す演出が何度もでてきます。
幼い頃に入国管理局の係官が来たのが食事中だったのが不安のモトなのでしょう。

サイメは夫のいるアンカラに戻ることになりました。
ファニスは呼び出したムスタファからそれを聞かされます。
彼女たちが発つ日、ポツンとイスタンブール駅に立つファニス。
今度はイスタンブールを去るサイメを見送るためです。
ホームで振り返ると再会の約束になってしまうよ、と言われたサイメは
一度も振り返りませんでした。
しかし、彼女の娘は笑って振り返ったのです。

昔のおじいちゃんの店にやってきたファニス。
屋根裏に上がると、おじいちゃんの座っていたイスも
サイメが乗って踊っていたテーブルもそのままです。
胡椒の赤い粒を見つけたファニスは、おじいちゃんがしてみせたように
胡椒の恒星、塩の銀河系、ターメリックの星雲…と
スパイス(spice)で宇宙(space)を描き始めるのでした。

全編に渡って暖かく優しい作品です。
国際問題、社会問題が入っている映画は、とかく悲惨になったり
人間の醜い部分を強調してしまうことがありますが
この映画は最後まで美しいです。
でもとても自然で、無理にオキレイにしているようにも思えません。
素晴らしいです。



テーマ:映像・アニメーション - ジャンル:学問・文化・芸術

ナイト・ウォッチ
皆様こんばんは。
久しぶりに新作DVDを観たので感想をば。

『ナイト・ウォッチ』、面白かったです。
ロシア映画はほとんど観た事が無かったのですが
暗くて長くて退屈そうなイメージだけは勝手に持っていました。
すみませんでした。これは退屈なんてしている間はなかったです。
映像はスタイリッシュ、お話は文学的。
光の眷属と闇の眷属の対立というダーク・ファンタジーは
日本人にも理解しやすく、すぐに世界に馴染める。
日本で漫画にしたら、きっと売れると思う。
原作は小説だったと思うんですが…日本語訳してくれないかな〜。
すっごく読みたい。

人間以外の存在『異種』は、はるか昔から光の眷属と闇の眷属に分かれて
相争っていた。異種は、人間の暮らす次元とは違う階層である『異界』を
自由に出入りし、個体によって様々な能力の違いがある。
異種は自分が異種であると気づくと、光の眷属になるか闇の眷属になるかを
自分の意志で選択する。
果てしない戦を何百年と続けていた異種たちは、ある時、大きな橋の上で
戦っていた。しかし、いつ終わるとも知れない戦いに互いの陣営の主は
休戦することを決定した。
そしてお互いを監視するために、夜を支配する闇の眷属を見張る光の眷属は
『ナイト・ウォッチ』に。そして昼の世界に暮らす光の眷属を見張る
闇の眷属は『デイ・ウォッチ』となった。

こんな感じで始まります。面白そうでしょ?
ところで、映画の中に「ビザンチウム伝説」というのが出て
くるんですが、それは本当に存在するんでしょうか…。
存在するなら読んでみたい。
ロシアや東欧ではポピュラーな民話だったりとかしたら
もう、身悶えするほど読みたい(笑)
だ、誰か日本語に訳して出版してください!!

この間、『ヒストリアン』を読んだもので
ルーマニアとかハンガリーとか、あの辺の民話伝承に興味がありまして。
吸血鬼話の他にも色々と紹介されてない話があるのではないかな〜と。
で、『ヒストリアン』もビザンチン絡みなのですよねー。
そう。ビザンツのキリスト教世界とイスラム世界の激しい戦いの時代が
キーになっていまして、どうもビザンチウム伝説ってあるような気がしてます。
現地では知らない人はいない、とか…。違うかなあ。

どなたか、ご存知でしたら教えて下さい。

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