プロフィール

神山 侑子

Author:神山 侑子
★★★★★★★★★★★★★

隅田川に架かる橋のたもとで
生まれ、湾岸で育つ。
現在は大根を栽培する地域に
暮らす37才。
職業はエンタメ系職人。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

カウンター

プレス

ブログ村

にほんブログ村 映画ブログへ にほんブログ村 本ブログへ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

フリーエリア

Dove siamo? <ドーヴェ・スィアーモ?>
趣味的な映画や本の感想を綴るブログ。 現在は西洋のお坊さんに注目中。 もう自分がどこにいるのか分かりません。 ここはどこですか… Dove siamo?
エリ・エリ
作者は岩手の美術教師でもある平谷美樹(ひらや・よしき)。
小松左京賞を受賞したSF小説です。
タイトルは有名な「エリ・エリ、レマ・サバクタニ?」
神よ、神よ、なぜ私をお見捨てになったのですか?
の冒頭部分です。

すっかり信仰というものが顧みられなくなった近未来、
あえてその問いをする1人の司祭がいました。
次々と教会員は離れ、友を失った神父が
以前から温めていた論文をヴァチカンに提出したことから
事態は急展開します。

そもそも、『神』とは人間にとって何でしょうか?
キリスト教やユダヤ教では、人間を造った創造主であり
『父』のようなものだといいます。
また、「神は与え、また奪い給う」ともいいます。
多神教の世界では、この世界のあらゆるものに神はやどり
様々に現れる”たえなるもの”だと捉えます。
はたして、神は探してみつかるものでしょうか。
いやいや、「求めよ、されば与えられん」「探せ、されば見いだすであろう」
と言うじゃないですか。
しかし、どうして人間はいつの時代でも神に見捨てられていると思うのでしょう。
いないと普段は云う者ですら「たとえ神様がいたって、自分はきっと見捨てられる」と
どこかで感じているような気がするなあ。

こんなことを思う作品でした。

実は、これの続きである「レスレクティオ」の方を先に読んでいたのですが
後編を先に読んだことで本作は回想シーンとして読みました。
これはこれでアリかなと思っています。
と、いうわけで2冊で1本の映画のように読める小説です。


テーマ:ブックレビュー - ジャンル:小説・文学

白夜行
東野圭吾の『白夜行』を読了しました。

私の子供時代でもある昭和の空気を強く感じる。
当時のミスター・ジャイアンツの不調を野球には興味がなかったのに
覚えているし、ピンクレディーのヒット曲が流れる街は
まさに私の育った街だ。(東京ではあるけれども)
品のいい裕福な家庭のことなど何も知らず、自分たちの境遇しか
自分たちの生活のことしか知らなかった。
子供時代は、無邪気で楽しいばかりではない。
私も何の心配もなく笑って過ごすこともあれば、
したたるような悪意に出会って戦慄したこともある。
そんなリアリティが、この小説にはある。

ここからはネタバレになりますので、これから読む方は読了されてからどうぞ〜。

それにしても、このヒロインは凄い。
反則上等で次々と男女に関わらずあの手この手で籠絡してゆく。
これと狙いをつけた相手に大きな精神的な傷を作るように仕向け
そこへつけ込むという形なのだが、彼女は自分が常に有利であるために
そんなことを繰り返している。しかし、上品で健気な雰囲気と美貌を武器に
全く疑いを抱かせないという超テクニックを持っているのだ。
必要とあらば、親友をヤクザに襲わせて全裸写真を撮るなどということも
ためらい無くやっている。しかも、サークルの先輩に疑いが
向けられるように仕向けるのも忘れない。徹底している。
恐ろしい、とんでもない女だと思うとともに
またものすごく哀しい気持ちにもなるのだ。
全ては子供の頃に原因がある。あまりにも不利でありすぎた。
貧しい家庭、教育がなく何の才覚もない母親。
美貌さえ味方や武器になることは無く、かえって『獲物』になる要因だった。
負けるのはこれきりだ、常に勝っていたい、むさぼられる側でなどいるものか。
もしも同じ立場なら、私はそう思っただろう。
なんということだろうか。本文中にはヒロインの心理描写はほとんど無いのに
すっかりつり込まれて感情移入してしまっていた。
プレイヤー・キャラクターのセリフのないゲームのように
心理描写がないことがかえって自由な感情移入を可能にしているのだろうか。

ユニークなところが他にもある。ヒロイン雪穂の本質を油断のならない
とんでもない女だと気づき、独自に私立探偵とともに真実に迫ろうとする
篠塚一成は、本書中、安心してみていられる唯一の人物だ。
ヤクザに襲われた江利子(雪穂の親友)の元カレである。
一成はいわゆる御曹司で、美貌の雪穂よりもユニークな反応をする江利子に
好意を持ち、洋服を買ってやったり美容院に連れて行ったりと
まるで少女漫画の生徒会長のようである(笑)社交ダンス部の部長なのだが。
そんな彼が一番、真実に近いところにやってくるとは驚きだ。
男性作家がそういうキャラクターに、賢く目端のきく好男子という
役を振るのは珍しいと思うのだが、どうだろう?

あまりに面白いので朝の5時まで読んでしまった。
久々に夢中になった。

好青年の一成くんがあれからどうなったのか気になる。
女神を袖にするギルガメッシュか、サタンよ去れ!と言ったキリストか
雪穂の魔力を一度はしりぞけた男、一成(笑)
他の作品中でもいいから、彼の消息を知りたいものだ。

告解の日/アラン・フォルサム
先日の日記にもちょっと書いたのですが、
アラン・フォルサムの『告解の日 上下』を読みました。
若き枢機卿秘書のダニエル神父がハリウッドのセレブ御用達の弁護士
である兄ハリーのもとへ”どうしたらいいのか分からない、怖いんだ”
と連絡してきたことからお話がはじまります。
しかし、ハリーは仕事が忙しく自宅の留守電のメッセージを聞いたのでした。
この兄弟は子供時代のある出来事をきっかけに気まずくなり
8年ほども音信不通だったのですが、その弟から連絡があったのです。
兄のハリーは留守電を聞き、ただ事では無さそうだと
何度もローマに連絡を試みますが、肝心のダニエル神父はつかまりません。
そんな不吉な胸騒ぎを感じるハリーのもとへローマからもたらされたものは
弟のダニエル神父はアッシジへ向かうバスが事故を起こし炎上、
その犠牲になった、という報告だったのです。
この後、ローマへ渡ったハリーは色々ありましてイタリアの警察と
ヴァチカン警察、マスコミ、そしてテロリストからも
逃げなくてはならなくなるという逃亡劇、サスペンスです。

どうしてこんなのが映画にならないのか不思議なくらい映画っぽいです。
キャラクターも好感が持てます。
兄のハリーは親友と弁護士事務所を設立して
がんばっているビジネスマン。弟は10代はグレていたのに
今では神父でしかも枢機卿の秘書にまでなっている。
……優秀な兄弟だなあ!
ハリーと一緒に逃げることになる修道女のエレーナも素敵です。
しかし、本当の主役はダニエルのボスのマルシアーノ枢機卿かも。
彼がダニエル神父に告解しなければ、ハリーとエレーナの
逃亡劇ははじまらなかったのです。
どんな告解だったか? それは言えません。
告解には守秘義務がありますから(笑)
興味を持たれた方は是非、ご一読を。

どうなる? 聖該布血盟の映画化
さて、今日は『ダヴィンチ・コード』を観たのだけれど
スペインで映画化されると訳者あとがきにもあった
フリア・ナバロ作『聖該布血盟』は
どうなったのであろうか?

これは、トリノの聖該布をめぐるスリラーで
イタリア警察&カラビニエーリ、研究者、
そして謎のトルコ人やら教会関係者やらが
追いつ追われつするという話。
キャラは素晴らしく立っている。
教会関係者と主人公が話をするシーンも多く
それぞれの立場の違いが非常にくっきりとしていて
良いドラマになっている、いい小説だと思う。

これをスペインではどう映画にするんだろうか。
またしてもテンプル騎士団が出てくる(笑)
ある意味で忍者みたいな扱い?テンプル騎士団。
色々な想像をかき立てる集団なのね…。
修道騎士というのがまた妄想の源泉になって
いるんだろうな。

スペインからの映画完成の報が待ち遠しい。


テーマ:映像・アニメーション - ジャンル:学問・文化・芸術