『エクソシストとの対話』島村菜津 著 Dialoghi con gli Esorcisti 英訳しますと、Interview with Exorcistsでしょうか。 (21世紀国際ノンフィクション大賞優秀作) 近年まで存命だったカリスマ的な信頼を寄せられていた カトリックの正式なエクソシスト、カンディド神父の 人となりを通して、現代におけるエクソシストとは どういうものか、また悪魔憑きとは? と 追いかけてゆく、真面目かつチャレンジ精神あふれる本です。
エクソシストと聞くと、例の映画を思い出しますね。 なんと、本書の主役カンディド神父は 映画『エクソシスト』を観て、感想を聞かせて欲しいと 映画会社から要請されており、リーガンの首が360度回る ところ以外はおおむねOKだ、とおっしゃったそうです。
その他、最も重要な儀式に使っている祈祷文の書いてある 「ローマ典礼儀式書」についても書かれています。 1956年版のものと、それ以前の典礼書では エクソシズムについての章が大分変わっているんですね。 古いものだと、大天使ミカエルへの祈りなどがあるんですが 新しいものには憑いている悪魔に対する呼びかけのほうが 多くなり、更にはエクソシストへの注意や教科書的な 記述が増えているのです。具体的には ________________________________ 悪魔に苛まれる人を癒す司祭は、特別に教区の司教から 許可を得ていること。 そして信仰心と思慮深さ、人生全般に わたる潔白さを持っていること。 己の力ではなく神の力を信じ、あらゆる利益への貪欲さと 無縁にして、ただ慈愛と謙遜に基づく宗教的使命のもとに これを行うこと。 また、成熟した年齢に達しており、その聖務によってだけ ではなく、品行の良さによって尊敬に価するような人物であること。 ________________________________ というようなリクルート条件にはじまって (しかし、必要条件とはいえ無茶というか 有能な人が上層部にこき使われている図式というか…) 『まず第一に、簡単に悪魔が憑依しているのだと 信じこんではならない』 等々、様々な注意事項が書かれています。 司祭の仕事の実際面が分かって興味深いです。 これ以上書いてしまうと、読もうという方が 面白くなくなってしまいますから、このへんで。
吸血鬼に対談を申し込むのは現実には不可能ですが、 現役の公式エクソシストについて取材するのも かなり大変なようです。 コネ社会のイタリアで、アポなし突撃取材も決行。 それでも、その中からコネクションを作り コツコツと取材をする姿勢には、門外漢の私も 頭が下がる思いがします。
エクソシストについて興味のある方も 司祭というものに関心のある(私か)方も 読んで損はない本だと思います。
テーマ:聖書・キリスト教 - ジャンル:学問・文化・芸術
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